多趣味と無趣味、どっちがすごい?本気で考えてみた。

「趣味はなんですか?」

この質問に対して、たくさんの答えが返ってくる人もいれば、「特にないですね」と静かに微笑む人もいる。日本の文化において「趣味」は自己紹介の定番の一つであり、人生を豊かにする要素の一つとして語られることが多い。

しかし最近では、SNSやネット掲示板などを中心に「多趣味の人って本当にすごいのか?」「無趣味の人には深さがあるんじゃないか?」という議論が加熱している。つまり、多趣味な人と無趣味な人、どちらの方が“すごい”のかという論争である。

この記事では、「多趣味 vs 無趣味」という対立構造の中で、それぞれの立場のメリット・デメリット、社会的な評価、そして現代における“趣味”の意味を掘り下げていく。


Hands of Young painter working on his art inside his studio.

そもそも「趣味」って何?

まずは定義を確認しておこう。

趣味とは、仕事や義務とは別に、個人が興味や関心に基づいて自発的に行う活動のこと。読書、スポーツ、旅行、映画鑑賞、楽器演奏、アート、料理、ゲームなど、あらゆる活動が趣味になり得る。

つまり、「趣味=遊び」ではなく、「自己表現」「自己探求」「娯楽」のすべてを含んだ非常に幅広い概念である。


多趣味な人の特徴と魅力

多趣味な人の印象といえば、「アクティブ」「社交的」「知識豊富」「トーク力がある」などが挙げられる。

メリット

  • 好奇心が旺盛:新しいことにチャレンジする姿勢がある。
  • 人間関係の幅が広がる:趣味を通じて多様なコミュニティに属することができる。
  • 人生が充実する:休日や空き時間に退屈しない。
  • ストレス発散になる:趣味が精神的な安定に繋がることも多い。

デメリット

  • 浅く広くになりやすい:一つ一つが中途半端になる可能性。
  • 時間・お金の消耗:趣味が増えるほどコストもかさむ。
  • 「器用貧乏」と言われることも:スキルや成果が見えづらい。

無趣味な人の特徴と魅力

「趣味がない」というとネガティブに捉えられがちだが、最近では“無趣味”を自認する人の魅力も見直されつつある。

メリット

  • 一貫性や集中力がある:特定のことに深く取り組める傾向がある。
  • 静かな魅力がある:飾らない生き方やミニマルな生活が美徳とされる場面も。
  • 余計な出費がない:趣味にお金を使わない分、生活に余裕がある。
  • 逆に“人生=趣味”であることも:仕事や家庭、学問そのものを趣味と捉える人もいる。

デメリット

  • 話題に困ることもある:自己紹介などで「話が広がらない」と感じられがち。
  • 余暇の使い方が不明確:休日に“何もしたくない”が続くと、無気力と受け取られる場合も。
  • 誤解されやすい:周囲から「つまらない人」と見られることもある。

社会的評価の変化

かつての日本社会では、「趣味人=変わり者」という印象が強かった時代もあるが、現代ではむしろ“多趣味であること”がポジティブに評価されやすい。特にSNS時代においては、個性的な趣味や特技がアイデンティティの一部として機能し、フォロワー獲得や副業の足がかりになることもある。

一方で、無趣味な人が「深みがある」「ブレない」「ぶれない軸を持っている人」として尊敬されるケースも増えている。特に、専門性の高い職業に従事している人や、マインドフルな生活をしている人には「無趣味=悟っている」というような見方も存在する。


どちらが“すごい”のか?

ここが本題だ。

一言で言えば、「人による」。

ただし、強いて言うならば次のように言える。

  • 多趣味な人は“広さ”の魅力がある
  • 無趣味な人は“深さ”の魅力がある

つまり、方向性が違うだけで、どちらも価値がある。

重要なのは、「自分の時間をどう使っているか」「それを通じてどう成長しているか」という点だ。


多趣味の人が尊敬される瞬間

  • トーク力が抜群で場を盛り上げるとき
  • 一見関係のない分野をつなげて独自の視点を語るとき
  • 複数の趣味が本業に繋がるとき(例:趣味の動画編集が副業になる)
  • 多趣味ゆえに多文化理解力が高いとき

無趣味の人が尊敬される瞬間

  • 一つのことを極め、プロフェッショナルとして活躍しているとき
  • シンプルな暮らしを貫いているとき
  • 他人に流されず、自分の価値観を大事にしているとき
  • 趣味を持たずとも充実した日々を送っている姿に説得力があるとき

多趣味になるべきか?無趣味を貫くべきか?

これは非常に個人的な問題である。無理に趣味を持つ必要もなければ、「無趣味はダメ」と決めつけることもナンセンスだ。

判断ポイント:

  • 自分が楽しめているか
  • 自分の人生の方向性と合っているか
  • 無理していないか
  • それを通じて他者との関係が良くなっているか

最終結論:「多趣味 vs 無趣味」論争のその先へ

この論争は結局のところ、「どちらの生き方がより“自分らしいか”」という問いに帰結する。多趣味な人も、無趣味な人も、共通して大切にしているのは「自分の時間を大事にする」ということだ。

人生の価値は、どれだけ多くの趣味を持っているかではなく、どれだけ“納得のいく時間”を過ごせたかで決まる。


おわりに

多趣味であることも、無趣味であることも、それ自体が“正解”ではない。重要なのは、「自分が心から満足しているかどうか」であり、それを外からの評価で測るべきではない。

あなたが多趣味であれ無趣味であれ、今日のあなたの過ごし方が「意味のある時間だった」と感じられたなら、それこそが最も“すごい”ことなのではないだろうか。